足の血管が浮き出る・見える

足の血管が浮き出る・見える

足の血管が浮き出る・見える

足の血管が浮き出たり足がむくみやすいことにお悩みの方によく見られる症状として、スパイダースキンというものがあります。これは、足の血管が蜘蛛の巣のように浮き出る状態のことです。当院では、このようなスパイダースキンや下肢静脈瘤の診察、治療を専門的に行っておりますので、気になる症状があればぜひ一度ご相談ください。

血管の役割

心臓から送り出される血液は、静脈を通じて酸素などを運搬し、また、毛細血管で老廃物や二酸化炭素を受け取り、静脈を通って心臓へと再び戻っていきます。このように、血管や血液には、全身に栄養素や酸素を運ぶ役割、老廃物や二酸化炭素を回収する役割があります。私たち人間はこうした血管、血液の働きによって健康を維持しており、また、体温や体内の水分量を調節することで感染症を予防したり、ケガで出血した際の止血の働きもしています。血管、血液の働きに異常が起こると、私たちの健康は損なわれてしまいます。

下肢静脈瘤とは

足のことを下肢といいます。下肢静脈瘤とは、足の静脈のコブを指します。皮膚の表面に血管がコブのように膨んで、うねって浮き出たようにみえるのが特徴です。初期段階では、足のむくみによるだるさや足が重い等の症状が現れますが、疲れが溜まっているぐらいに思われる方も多くいらっしゃいます。下肢静脈瘤の患者数は,1,000万人程度ですが認知度は低いです。血管が浮いてみえるようになるため、慌てて受診される方もいらっしゃいます。

症状

下肢静脈瘤の初期段階では、痛みやだるさ、むくみ、足が重い等の症状が出現します。これは、長時間の立ち仕事をされている方にみられやすく、この時点では疲労との違いが分かりづらいです。また、夜間に足がつってしまう症状も出現するようになります。そして、クモの巣状や網目状に血管が透けてみえたり、ボコボコとした血管が浮いてみえたりします。下肢静脈瘤は命に関わることはありませんが、妊娠や出産による一時的なものを除けば、自然に完治することはありません。放置すると、色素沈着してしまい肌が黒ずんだり、皮膚炎や潰瘍を起こす場合があります。

下肢静脈瘤の種類(軽症型、伏在型)

下肢静脈瘤は、軽症静脈瘤と皮膚から静脈が大きく盛り上がる伏在型静脈瘤に分けられます。軽症静脈瘤の代表的なものは、赤い血管がクモの巣のように皮膚に広がって見えるくもの巣状静脈瘤です。症状はほとんどなく、中高年の女性に多くみられます。くもの巣状静脈瘤が進行して、伏在型静脈瘤になることはありません。しかし、くもの巣状静脈瘤と伏在型静脈瘤が同時に起こる場合があります。そのため、超音波検査によって伏在型静脈瘤があるかを確認する必要があります。伏在型静脈瘤は、徐々に悪くなっていき、静脈のこぶが大きくなって盛り上がり、疲れやだるさ等の症状が出現します。進行した際は手術による治療を行います。

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足の血管が浮き出てしまう原因

足の静脈は、重力に逆らい血流を心臓に押し上げています。血液の逆流を防ぐために、静脈弁が発達しています。デスクワーク等の動かないでいる仕事や長時間立ち仕事をされている方、妊娠等によって足の血流が悪いと、足の静脈に圧力がかかってしまい、血管が膨らんで広がります。このような状態になると、静脈弁の働きが悪くなったり、圧力によって静脈弁が壊れてしまい、血液が逆流を起こして血管がコブのように膨らみます。皮膚に近い表在静脈にコブが膨れるため、皮膚の表面に血管が浮き出るようになります。

血液がうっ滞する理由

うっ滞とは、血液が静脈内等に滞ることです。足の血液循環では、逆流を防ぐ静脈弁以外に、ふくらはぎの筋肉が静脈を絞り上げることによって、血流を心臓に送ることをサポートする機構があり、これを筋肉ポンプと呼んでいます。妊娠や出産、長時間の立ち仕事等によって、これらの機能が上手く働かなくなると、心臓に静脈血を送れなくなります。心臓からは拍動ごとに血液が送られるため、足で血液が滞ってしまうことでうっ滞が起き、血管に余計な圧力がかかって、血管が膨れたり、赤血球がしみ出してしまいます。

スパイダースキンとは

スパイダースキン(正式名称:クモの巣状静脈瘤)は、下肢静脈瘤の一種で毛細血管が拡張することで足の血管が浮き出たり、足のむくみやだるさを感じるといった症状が現れます。血管が浮き出た時の見た目が蜘蛛の巣のように見えることからスパイダースキンと呼ばれています。
立ち仕事やデスクワークなど長時間同じ体勢を続けている方、ご家族で静脈瘤の患者様がいらっしゃる方は特にスパイダースキンの発症率が高いと言われていますので、注意が必要です。スパイダースキンを予防するためには、スクワットやウォーキングなどの適度な運動を日頃から継続すること、足の筋ポンプが働きやすくなるように意識して生活することなどが重要となります。また、デスクワーク中などは、足首を動かして体をほぐしてみると良いでしょう。

スパイダースキンの治療方法

弾性ストッキングという医療用のストッキングを着用していただく圧迫治療がメインとなります。一般的なストッキングよりも着圧が強いため、スパイダースキンの予防に効果的です。また、静脈瘤に硬化剤を注入して血管壁にダメージを与えて治療を行う硬化療法も適宜実施していきます。硬化療法は炎症や色素沈着といった後遺症が現れることがあります。

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足の血管の違和感が気になる方は当院までご相談ください

クモの巣のように足の血管が浮き出ている、足のむくみが気になるといった症状がございましたら、ぜひ一度当院までご相談いただければと思います。

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